• プロフィール

    Author:大坪敬史

    大坪 敬史
    関西学院大学 文学部地理学科卒。
    民俗学、文化人類学、観光地理学を学ぶ傍ら、大手旅行会社での添乗・実務業務に没頭。日本文化を守り伝えていく“地域活性化”を志し船井総合研究所入社。
    宿泊施設のマーケティング戦略立案から、具体的な販促実務までを主軸に置いたコンサルティングを展開。中でもインターネットを駆使したWeb販促&直販売上倍増ノウハウ&即時業績向上には定評がある。 世界に誇る日本文化を次代に語ること、、、をテーマに全国を日々巡礼中。
    2010年1月、日本の観光業の永続的発展を目指した株式会社観光文化研究所を設立。代表取締役に就任。
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    2015年06月10日

    「ふるさと割」について考える

    観光関連事業についての初めてのバラマキ税金なのでは!?と思われる「ふるさと割」が始まっています。
    この「ふるさと割」という言葉、「ふるさと納税」と似ていることから、税金の還付が受けられるのでは?
    という誤解も生んでいます。

    ややこしいのは、この「ふるさと割」、日本全国津々浦々統一のスキームではなく、都道府県(一部、市町村)単位で概要を決めているので「わかりにくさ」が倍増しています。

    弊社は観光業のコンサルティングをしており、日々全国の観光業者の皆様とお付き合いがりますが、
    観光業者の皆様の中にも「ふるさと割」という言葉自体を知らないケースがあります。

    理由としては前述のとおり、「全国統一」のスキームではなく、各都道府県がバラバラに異なった施策を行っているのと、
    「ふるさと割」という事業自体のPRを「誰」が責任をもって、「どのようにPRしているのか?」が今もって不明な点が挙げられます。

    観光庁や総務省の公的な機関のHPで「ふるさと割」と検索しても、該当文章がHITしません。。。

    ※観光庁HP

    ※総務省HP

    前置きが長くなってしまいましたが、「ふるさと割」というのは、宿泊費用の一部を「地域住民生活等緊急支援のための交付金事業」で補うというものです。
    具体的に言いますと、

    例:長野県の事例 ※コチラのサイトよりの検証
    ■10,000円クーポンを使った場合
    予約金額:20,000円(税込)以上 大人人数:2名以上
     ⇒1泊2日で大人2名でA旅館に宿泊した場合、
      通常料金 15,000円(税込)×2名=30,000円

      ⇒この30,000円から、クーポンと名を変えた税金10,000円分がマイナスされる
      ⇒30,000円(元値)-クーポン(10,000円分)=20,000円ということになり、

    「本来であれば1名15,000円の宿が1名10,000円で泊まれてしまう」

    というものです。

    ※ちなみに、宿には後日きちんとクーポン分の金額が戻ってきますので、一時期ネット上を騒がせた「グルーポンおせち問題」のような問題は発生しません。

    人数や、宿泊期間の制限や条件は各都道府県により異なっていますが、各個人の旅行条件にあえば、税金で旅行費の一部が賄えるのですから、お得なことこの上ありません。

    あえてデメリットを上げるとするのであれば、この「ふるさと割」が適用されているサイトが現在

     ・じゃらんネット
     ・楽天トラベル
     ・YAHOOトラベル
     ・るるぶトラベル

    の4サイトで、それぞれのサイトに会員登録(個人情報登録)しなければ、割引が適用されてないということと、クーポンコードを入力するなど一部ややこしい仕組みになっているので、ある程度のインターネットリテラシーがある人しか活用できないということでしょうか?

    住宅業界には、住宅ローン減税。農業には今更言うまでもないほどの補助金が撒かれています。
    翻って、観光業界は日本が「観光立国」を謳っておきながら、驚くほど「国からのアクション」が少ない業界です。
    単純に「バラマキ」と批判するのではなく、このような施策を今後国民にも多大なメリットがるようにどう続けていくかが、今後のポイントでしょう。

    「ふるさと割」の本来の目的は、税金で一部旅行費を補うことにより
     ・観光経済の活性化
     ・周辺事業者の経済波及効果
     ・まだ見ぬ日本の「ふるさと」の良さを日本人が再発見する
    ということでしょう。

    この「ふるさと割」で一人でも多くの人が「旅」に出ることを心より願っております。

    ■観光文化研究所公式HPはコチラ。

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