Author:大坪敬史
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某TV番組で話題の「捏造問題」。
旅館業界でも過去、「源泉掛け流し温泉」でも世間をにぎわしました。
「源泉掛け流し温泉」はできうる温泉は良いですが、そうもいかない温泉も当然あります。例えば、源泉の温度が低い温泉・地域全体の湯量をカバーでききれない温泉と各地域の事情は当然あります。
問題なのは「うそ」をついてまで、違うことを謳おうとすることです。
(そうすることによって一時的にお客様の集客をえるかもしれませんが、長く続きません)。
「嘘はバレます」。これは当然のことではなく、情報化社会が進んでいくにつれこの流れは加速していくでしょう。
ある経営者の方がおっしゃっていた言葉です。
「嘘つく暇があるのだったら、もっとすべきことはたくさんあるのにね~。どうやっても、(源泉掛け流し温泉は)できない状況は状況なので、有るもの(そのほかの売り・サービス)をどう強化・PRしていくだけでしょう?」
改めて、「ハッ」とさせられた至言でした。
エンドユーザー様向けのお話です。
旅館に宿泊するには旅行会社を通じて、宿に直接電話して、インターネットで予約というのが現在の潮流です。
以下、顧問先の旅館様での会議内容です。
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■施設様
「お客様より、こんなメールもらいました」
○×旅館様のHPでは、宿泊料金が○○円となっておりましたが、楽天○ラベルで予約したときは、宿泊料金が○○円(楽天○ラベルの方が少々高い)でした。
内容は全く同じだと思うのですが、なぜ料金が違うのでしょうか?
(一般的に、楽天ト○ベルの方が安いと思っていたので、疑問に思いました)
また、楽天○ラベルで予約した場合と、○×旅館様のHPで予約した場合では、何か違いがあるのでしょうか?
■大坪
まさか、正直に答えたのですか???
■施設様
「もちろんです。このように聞いていただけるお客様はありがたいので懇切丁寧にメール返答しておきました」
内容は長文に渡るので掲載は割愛しますが、まとめると
①楽天○ラベルさんやじゃ○んネットさん経由で宿に予約が入ると一定の手数料がかかります。
②その手数料分を、自社HPで予約したお客様に還元する意味でネットエージェントと自社HPの金額を変えています。
③自社HPと楽天○ラベルで予約した場合、同じプランであれば特典等は同じですが、部屋の振り分けをする際、「心情的」に少しでも良い部屋を抑えるようにしています。
■大坪
「ぶっちゃけましたね~。でも、多くの施設様で心情的にという意味は理解できますし、こういったことをエンドユーザーのお客様に知っていただくことは旅館にとってはよいことですね。」
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結論は、「旅館側に負担にならないように予約した方が、同じプランでも良いサービスを受ける可能性が高くなる」と言い切ってしまって問題ないでしょう。
※但し、上記のお話は全ての旅館様に通じる話ではなく、あくまで経営面からの「システム」と考えた際に生じうる話ですので、一事例としてご参考ください。全ての施設様が上記のように考えているということはありません。
2007年2月21日に旅館業の皆様むけにセミナーを開催します。
下呂温泉「こころをなでる静寂みやこ」の専務を迎え、直販強化手法、サービス力強化手法(リピーター創出法)の2点にテーマを絞って講演を進めて参ります。
みやこさんにも、だせうるギリギリの情報をお話いただく予定ですので、ご興味あられる旅館業・サービス業に従事されておられる方は是非、ご参加ください。
お待ち申し上げております。
今日の会議での話題です。
■宿泊施設さま
「来年の正月(繁忙期)に旅行会社に客室提供するのを考えようと思っています」
■大坪
「そうですね。繁忙期についてはエージェント(旅行会社)に客室提供をしなくとも、独自で予約可能ですからね。しかし、エージェントさんとの付き合いは大丈夫ですか?」
■宿泊施設さま
「例年、正月期間は旅行会社からの予約がキャンセルになるケースはほとんどなかったのですが、今年(昨年12/30~今年1/3)までは無茶苦茶でした。2ヶ月以上前に予約を抑えておきながら、キャンセル料がかかる手前でトケられました(解約されました)」
宿泊施設は旅行会社に「客室」を預けて販売をお願いしています。旅行会社の売上から手数料を取った分が旅行会社の「利益」になります。当然、売れる繁忙期については旅行会社も稼ぎ時ですので、お客様の予約が入っていなくとも、例えば旅行会社の社員名を入れてダミー予約をし、実際に販売したらその客室をあてこむ、、、。という販売手法を取っていました。
但し、結果論で「売れればOK」なのですが、「売れなければ」キャンセルというカタチになり、旅館側に一切の利益をもたらしません。
上記会話のやりとりは、そのような現状から発生した文言です。
こういうことをエージェント側にされると旅館側もエージェントへの客室提供数を減らさずにおけません。そして、ますますエージェントを使う一般のお客様が減るというマイナスのスパイラルダウンに陥ります。
ちなみに、この施設さまではGWのエージェント販売戦略を今回の出来事から再構築し、直販強化の施策を仕込み中です。
全ての旅行会社=悪ではありませんが、宿泊施設側も「ネット」「直接販売」という手法に気が付いてきておられます。
ネット販売の拡大という時流が、いたるところで宿泊施設の戦略転換を促していると改めて感じた次第です。
新潟県村杉温泉に長生館という旅館さんがあります。
施設、温泉、サービス、料理、どれをとっても素晴らしい旅館様なのですが、この度、「日帰りプラン上杉謙信御膳」を開発されました。
NHK大河ドラマで地域の歴史を再考しようとメニュー構成を行われたとのことです。
地域の良さをPRできる商品開発を行い、地域を盛り立てていけるのはやはり旅館のような宿泊施設が行いやすいと再認識させられました。