• プロフィール

    Author:大坪敬史

    大坪 敬史
    関西学院大学 文学部地理学科卒。
    民俗学、文化人類学、観光地理学を学ぶ傍ら、大手旅行会社での添乗・実務業務に没頭。日本文化を守り伝えていく“地域活性化”を志し船井総合研究所入社。
    宿泊施設のマーケティング戦略立案から、具体的な販促実務までを主軸に置いたコンサルティングを展開。中でもインターネットを駆使したWeb販促&直販売上倍増ノウハウ&即時業績向上には定評がある。 世界に誇る日本文化を次代に語ること、、、をテーマに全国を日々巡礼中。
    2010年1月、日本の観光業の永続的発展を目指した株式会社観光文化研究所を設立。代表取締役に就任。
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    2007年05月07日

    ココが変だよニッポンの旅行会社①

    ある顧問先旅館さまから憤りを感じる話題を伺いましたのでシリーズで書かせていただきます。

    以前、旅行会社(以下エージェント)の「ダミー予約」について書かせていただきましが、今回はその話題をゆうに飛び越えた酷さです。

    ■話題「二重予約」
    (そもそもこういう表現が正しいか不明です。実際に以下をお読みいただかないとご理解いただけないでしょう)

    ■以下実話
    顧問先旅館さま
    「大坪さん、GWに○×観光にやられちゃいました。」

    大坪
    「???。何があったのですか?」

    顧問先旅館さま
    「○○トラベル(某大手ネットエージェント)にGW部屋を出していたのですが、その部屋を○×観光経由で予約を入れられたのです」

    大坪
    「???。○×観光さんはそんなことをしてメリットがあるのですか?」

    顧問先旅館さま
    「お客様(この場合、一般のお客様をさします)からうちの旅館を予約してと頼まれたのでしょう。しかし、うちの旅館は○×観光さんとのお付き合いはなく、かつGWの予約なのでエージェント経由の予約を受け付けなかったのです。なので、○○トラベル経由で予約してきたのでしょう」

    大坪
    「そうですか。まあ、繁忙日だけ予約させろというのは虫の良い話ですからね。大して問題になるとは思えませんが???」

    顧問先旅館さま
    「この話にはつづきがありまして、○×観光さんは○○トラベルで予約した金額に上乗せしてお客様に販売したんですよ」

    大坪
    「はい?ということは例えば○○トラベルさんで10,000円(仮)で出されていたプランを12,000円で売ったということですか?それって完全に旅行業違反じゃありませんか?」

    上記会話をまとめた利害関係は以下の通りです。

    ●顧問先旅館さま
    ○○トラベル経由の予約ですので○%の手数料が○○トラベルにかかります。

    ●お客様
    ○○トラベルで自分で予約すると10,000円のプランが○×観光さん経由で予約したがために、同じプランに+2,000円余計に払うことになります。

    ●○×観光さん
    10,000円のプランを12,000円で売ります。

    この場合、一番得をしたのが○×観光さん、一番損をしたのがお客様ということになります。顧問先旅館さまは知らず知らずのうちに犯罪の片棒を担がされた格好に。。。

    この話題は宿泊業界にとって根深きテーマです。既存の予約形態を悪用した販売形態であることは間違いありません。この場合、さらに問題をややこしくしているのが「○○トラベル経由で予約を入れた」とうことです。宿と○○トラベルとには宿泊在庫の即時予約という契約が結ばれており、この仕組みを○×観光さんが利用(悪用)したのです。

    非常に後味の悪い話ですが、業界全体としてこういった問題に取り組まなければ、最終的にお客様に支持されない商売となっていくでしょう。

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