• プロフィール

    Author:大坪敬史

    大坪 敬史
    関西学院大学 文学部地理学科卒。
    民俗学、文化人類学、観光地理学を学ぶ傍ら、大手旅行会社での添乗・実務業務に没頭。日本文化を守り伝えていく“地域活性化”を志し船井総合研究所入社。
    宿泊施設のマーケティング戦略立案から、具体的な販促実務までを主軸に置いたコンサルティングを展開。中でもインターネットを駆使したWeb販促&直販売上倍増ノウハウ&即時業績向上には定評がある。 世界に誇る日本文化を次代に語ること、、、をテーマに全国を日々巡礼中。
    2010年1月、日本の観光業の永続的発展を目指した株式会社観光文化研究所を設立。代表取締役に就任。
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    2016年01月29日

    インバウンドブームに警鐘を

    先週、東京のホテルに久々に泊まったのですが、その利益重視姿勢に驚かされ
    ました。

    全国にホテルを持つ、某ホテルチェーンホテルに宿泊したのですが、
    宿泊料金が以前の1.4倍程度になっていたのは、昨今のインバウンドブームを
    踏まえると仕方ないことです。

    驚いたのはサービスのダウングレード具合

     ・以前は、チェックイン時のフロントで入浴剤が無料でもらえた
      ⇒ 有料で 100円に

     ・以前は、部屋に無料のミネラルウォーターが置いてあった
      ⇒ 有料で 150円に 

     ・以前は、アメニティにボディタオルがあった
      ⇒ 無くなっていた

    等、宿泊料金を上げてさらにコスト削減に走る姿に心底驚きました。

    外国人観光客が多いせいか、シャンプー&コンディショナー&ボディーソープが
    以前よりも「香り」が強く(強烈に)なっていたのも印象的です。

    需要(お客様の泊まりたい、というニーズ)よりも、供給(ホテルの数)が少ない
    状況になると、「ここまでやるんだ・・・」ということが実感として理解できました。

    しかしながら、こういった需給バランスのとれていない時に、企業側の視点のみに
    立った経営をしていると、次の「波」(景気後退期)に突入した時に苦労します。

    今回の事例は、「東京」という一大ビジネス都市だからこそ許容されることであり、
    このようなことを地方の旅館がしてしまうと、大きなしっぺ返しを喰らうことでしょう。

    弊社のクライアント先旅館様でも、当該地域に相当数のインバウンド客がいらっしゃり
    地域の旅館すべてが順調・・・というケースもございます。

    その時に考えないといけないことは、「宿の経営努力」も影響しているが「地域」
    としての魅力があってこそのブームも存在するということです。

    あまりこういったマイナス発想は好きではありませんが、一世を風靡したブーム
    のような現象が過ぎ去った時の破壊力はすさまじいものがあります。
    昨今のリアルエージェントやドライブインの衰退具合を見ると、少し時代から
    外れたり遅れてしまうと、過去の栄光は何だったのだ?と思うくらい落ち込みます。

    危機感をもって経営に臨んでいる場合と、好調で惰性で経営する場合では、
    前者の方が圧倒的に新しいサービスや商品が開発されます。

    経営は「絶好調な時ほど危ない」というのは、歴史が証明しています。

    経営を続けていくための利益を得ることは、もちろん必要ですが、良心をなくして
    しまい、利益のみに走ってしまうと、結果的に大事なお客様を失ってしまうことにも
    繋がりかねません。

    設備投資や、おもてなしの改善によって単価を上げることを否定はしませんが、
    冒頭の事例のように、単価を上げてサービスをダウンさせる・・・というような
    ことを続けていくと、いずれ破綻の道に至ります。

    好調な時こそ、「次」を見据え、お客様とよい向き合い方を心がけ、
    実行に移さなければなりません。

    ■観光文化研究所公式HPはコチラ。

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