• プロフィール

    Author:大坪敬史

    大坪 敬史
    関西学院大学 文学部地理学科卒。
    民俗学、文化人類学、観光地理学を学ぶ傍ら、大手旅行会社での添乗・実務業務に没頭。日本文化を守り伝えていく“地域活性化”を志し船井総合研究所入社。
    宿泊施設のマーケティング戦略立案から、具体的な販促実務までを主軸に置いたコンサルティングを展開。中でもインターネットを駆使したWeb販促&直販売上倍増ノウハウ&即時業績向上には定評がある。 世界に誇る日本文化を次代に語ること、、、をテーマに全国を日々巡礼中。
    2010年1月、日本の観光業の永続的発展を目指した株式会社観光文化研究所を設立。代表取締役に就任。
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    2021年12月15日

    「旅行会社(HIS子会社)の不正はなぜ見過ごされたのか?」

    一連のGOTOトラベル不正問題、あまりに酷い話なので、

    2021.12.13弊社発行のメルマガで発信した内容をブログに転機いたします。

    GOTO不正問題、徹底的に追及してもらいたいものです。

     

     

    先週の金曜日(2021.12.10)

     

    ■ 1万8千泊超、不正受給の疑い GoToトラベルで HIS子会社

     

    という衝撃のニュースが流れました。

     

    記事によると

     

    ===================================

     

    旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の子会社が政府の観光支援策「Go To

    トラベル」で不正な給付申請をしていた疑いがある問題で、申請が少なくとも

    延べ1万8千泊以上ある可能性があることがわかった。

    政府関係者が取材に明らかにした。観光庁も事実関係を調査している。

     

    子会社は、ジャパンホリデートラベル(大阪市)とミキ・ツーリスト(東京

    都港区)の2社。

    「Go To トラベル」事業はコロナ禍で低迷する観光業界を支援するため、

    1人1泊2万円を上限に旅行代金の最大半額を補助する仕組みで、昨年7~12月に

    実施した。2社は宿泊の実態がなく補助の対象にならない旅行を申請した疑い

    がある。

     

    仮に上限額で1万8千泊分を申請した場合、宿泊費の割引分で約2億5千万円が

    補助金として支払われたことになる。政府は補助額を下げるなどして年明け以

    降に再開する方針を示している。

     

    ※上記サイトよりの転載

     

    ===================================

     

    とのことです。

     

    この問題について、HISは12月10日付で

    「2021 年 10 月期 決算発表延期に関するお知らせ」というニュースリリース

    を流しており、この子会社二社の問題で業績見通しつかず、という事態に発展

    しています。

     

    ※ https://www.his.co.jp/news/date/2021

     

    株式市場の反応も当然悪く、12/10の段階でHISの株価は 前日比:-301(-14.31%)

    と売られております。

     

    今後、GOTOトラベルを再開していくにあたり、世間の風を逆風に吹かす最悪の

    ニュースであり、事実であれば責任者は切腹では足りず、「市中引き回しのう

    えはりつけ獄門」に処してやりたい気分の方は大勢いらっしゃるでしょう。

     

    ただし、「なぜこんなことが出来えたのか?」ついて大いに疑問を感じます。

     

    ■ 「会社ぐるみで…やばいことしたな」

       HIS子会社がGoToを不正利用の疑い【調査報道23時】

     

    によると

     

    ===================================

     

    ミキ・ツーリストは、社員80人の個人情報を使い、東京都内のホテルに、

    去年、1部屋4人で20部屋、60泊の宿泊を契約していた。80人のうち

    60人については、勝手に名前を使っていたという。

     

    ※上記サイトよりの転載

     

    ===================================

     

    というニュースもありましたが、いくら大型ホテルとはいえ、

     

    4人 × 20部屋 × 60泊

     

    はさすがに「おかしい!?」となるのでは?と個人的は思ってしまします。

    また、宿泊実態がない時点でホテル側が不審に思い対処していれば、この段階

    でのニュースにならなかったようにも感じます。

     

    ホテルがグルなのか、旅行会社の圧力に屈したのか、ホテルではこういった予

    約は至極当然なのか、はたまた本当に不正利用という認識がなかったのかは今

    後の捜査に任すとして、こんなことがあり得るのか?というのが正直な感想です。

     

    【2021.12.14追加情報】

    【独自】HIS子会社のGoTo不正疑惑 宿泊先すべて同じ系列ホテル

    とあり、限りなくホテルとグルな感が否めません。

    株式会社JHATのHPを見ると、代表が前HIS社長・・・ってこれで「関係ない」と

    言うことは無理があります。

     

    仮に旅館にこのような予約を入れてきたらまずは「不正」や「いたずら」と

    真っ先に対処されることでしょう。

     

    さらにいうと、前回(次回以降も)のGOTOトラベル開催時は事務局も開設され、

    そこにも税金が投入され事業を回しておられます。いくら急ごしらえの組織と

    はいえ、このような「予約申請」が「おかしい」とその場で判別され対処され

    ずに、事後相当な期間が経ってから発覚するという事態を招いている時点で、

    正常に機能していないと言わざるをえません。

     

    事務局も旅行会社が担っており、まさかとは思いますが身内に甘い処置をして

    いたのでは?と勘繰られても仕方ない事態です。

     

    このニュース以前にも

     

    ■ ワールド航空の不正受給疑い、雇調金返還と経営陣刷新を提言

    管理が世間と乖離

     

    と、日本旅行業協会の会長の会社で堂々と不正受給が行われていた事態があり

    ました。

     

    世間から「旅行会社」は不正受給集団と思われても致し方ない事実が続いてお

    ります。

     

    通常であれば、業界の顔企業なりが「ケシカラン!我々はキチンと商売してい

    るのに」的なニュースも流れますが、それもなく、まるで皆で臭い物に蓋をす

    る的な対応で不信感ばかりがつのります。

     

    前回のGOTOトラベル時、多くの宿は朝令暮改で変わっていくルールを順守しよ

    うと徹夜してでも正確な情報記載や、お客様からの問い合わせに答えてきました。

     

    一方で、一部(と信じたい)悪徳旅行会社の不正行為によって、GOTOトラベル

    そのものに疑義が生じてしまうような事態は避けなければなりません。

     

    観光庁の強いリーダーシップのもと、不正の徹底的な排除と、不正企業には一

    罰百戒をもっての対処を望みます。