• 連載コラム 繁盛旅館への道~売れる商品企画の作り方~
    Column
  • 2019年11月05日

    2019年3月11日 見直そう、親子旅マーケット

    昨年末、日経新聞に「旅行しようよ じっくり話そう。親子なんだもの介護・相続…、重たい話題、非日常の功」という記事が掲載されていました。  要約すると、50代の子供が親と一緒に旅行して、その機会にふだん話をしにくい、介護や相続などについて話をしよう、という内容で、問題の奥深さを感じました。

    単なる観光旅行ではなく、まだ元気だけど介護や相続の話をしなければいけない年齢の「親」と、働き盛りの50代の「子」の「親子旅行」を想定しています。

    これから30年、確実に増えてくる高齢者層と、その層に最も近くその人たちの面倒を見る必要があるけれども、まだその実感や方策を決めていない、あるいは話もできていない人たちに、「旅行」を通じて「これからのこと」をやんわり話してみませんか、という内容に思えました。

    日本の観光状況といえば、国を上げて「インバウンド一色」の様相を呈していますが、国内マーケットの掘り起こしも重要です。

    昨年の台風による関西国際空港の被害で空港が閉鎖されたり、北海道胆振東部地震などの影響で、外国人観光客のお客様が一気にいなくなった時のことを考えると、特定の客層のみに依存する怖さを感じてしまいます。

    ただ、宿側も以前と同じように「シニア」を捉えていると間違います。

    一例でいうと料理の「量」。ハレの日、特別な時に旅館を利用する時代は「食べきれなくて、持ち帰りをしなければいけないほどの量」が満足の基準でしたが、飽食の時代の昨今、「量」よりも「質」が重視されます。

    設備的にも、心理的にも越えなければいけないハードルは高いでしょうが、日本人旅行マーケットを考えた時に、年金などで暮らす現在のシニア層は「行こうと思えば旅行に行ける層」であることも間違いありません。

    そのような状況を上諏訪温泉「鷺乃湯」では、現場を交えて協議し、「『親子旅応援』ベット付客室で過ごす親子旅プラン~通常料金よりオトク!~」を企画しました。(http://www2.489ban.net/v4/client/plan/detail/customer/saginoyu/plan/263184

    ふだんは、なかなか話せないことでも、旅先では素直に話ができるような経験ありませんか。「お母様、お父様を誘っての『親子旅』を鷺乃湯は応援いたします」がキャッチフレーズです。

    特典では、ベット付客室が確約なので、足が不自由なお客様も安心。お部屋食なので、ゆっくり食事がいただけます。

    また、親子旅プランの良さでは、客室から、エレベーターでスムーズに移動可能や大浴場が1階で、浴場が近く行きやすいなども高齢者には喜ばれます。

    宿は上諏訪駅からも近く、諏訪湖近辺に観光名所が集中して、観光巡りしやすい、というのもプランの魅力です。

    インバウンド一辺倒のなか、日本人客の新たな開拓も考えていかなければなりません。

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